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講演でデモを実施するワケ

デモンストレーション

Wikipedia によるとデモとは、以下のように定義されています。

 

デモンストレーション(英語demonstration)、略してデモ (demo) は、本来は明示すること、論証すること、実物に即して示すことを意味する。実際にこの言葉が使われるものとして以下のことが挙げられている。

デモンストレーション

私の講演でのデモの目的

私にとってのデモとは、「実物に即して示すこと」が当てはまります。私の講演は、開発のトレンドであったりなので、抽象度が高いものがほとんどです。もちろん、もっと細かく、具体的な講演にすることもできますが、それでは多くの方に「行動してもらう」ことにつながらないと思っているからです。その辺りに関心を持っていただいた方は、以下の記事もご覧いただけると嬉しいです。

私がプレゼンのときに意識しているたった3つのポイント

私のエバンジェリストとしての矜持

私の反復型プレゼン作成術

さて、私は、製品を PR するためにデモを行っているという意図はほとんどありません。講演でお話しした内容を具体例を伴ってみて、体感していただく、足掛かりや成功のイメージを持っていただくために実施するようにしています。

そのため、ほとんどの講演でデモを実施するようにしています。理論や抽象度の高い話は関心するかもしれませんが、実行に移すには現場感と距離が離れている場合が多いからです。講演概要に、「具体例として〇〇での実例をデモします」と明記するのもそのためです。

もちろん、「受け手次第」と考えていますので、製品の PR と捉えられてしまうことも多々あるのは承知の上です。そう捉えてしまうと途端に世界観が狭くなってしまうので、そうならないように頑張って気をつけてお話ししているつもりですが、力不足でそう捉えてしまわれることもあります。面白いのは、まったく(ではないのですが)同じ内容を実施しても真っ二つに意見が割れることも少なくありません。あるイベントでは絶賛され、他のイベントでは PR だと言われることもあります。

デモで大切にしていること

デモで大切にしていることは、講演でテーマにした「世界観」を示すことにあります。製品にフォーカスが当たるようなデモはするつもりはありません。従って、個別製品の機能を紹介したり、操作方法を語ったりすることはほとんどありません。どの製品を使っているのかすらわからない、そして、気にならないのが私の理想としているデモです。

フィードバックとして、「もっと個別製品のことを知りたかった。見たかった」「早すぎて操作がよくわからなかった」「どの製品でその機能をサポートしているのかよくわからなかった」とよくいただきますが、それは、話し手である私の意図した通りなのです。

例えば、このスライドを見てください。

オープンセミナー広島 2016 の資料から
オープンセミナー広島 2016 の資料から

 

このスライドでは、企画からデプロイまでのバリューストリームとそこでの考慮点を示しています。製品(ツール)は、基本的には、企画ツール、計画ツール、開発ツール、ビルドツール、デプロイツールと成果物に紐づく傾向がありますが、考慮点は、これに沿っていません。考慮すべきは、つなぐ「やじるし」の部分なのです。

製品紹介なら、各製品(ツール)に合わせてデモすべきです。商談がグッと進むことになるでしょう。ただ私は、営業ではありませんし、製品を買っていただきたいのではなく、「世界観を共有したい」「現場の役に立ちたい」ので、それはしないワケです。伝えるべきことを伝え、それをイメージしやすくするためにデモを実施することに注力します。現場が同じベクトルをもつことができ、課題ややるべきことを見出されば、製品(ツール)なんて自ずと選択されます。そのときに自社製品が選定に入らないようでは所詮はその程度の製品(ツール)だということです。それ以上でも以下でもありません。

このスタンスは、ラショナルソフトウェアに所属する頃から変わっていません。2000年から気づき、実施しているスタイルなのです。当時から「珍しい」とか「周りくどい」とか言われていますが、現場に近い方からは好評です。これからもこのスタンスで続けます。

 

まとめ

デモは意図を持って実施しましょう。

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