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アニメーションを使わないアニメーションを活用せよ

アニメーションの功罪

プレゼンスライドを作成するときにどうしても動きを伴って理解してもらいたいときにアニメーションを使うことがあります。ただし、このアニメーション。いろいろと気にしなければならないポイントがあります。

  • 変更容易性を失う
  • 印刷資料への配慮
  • 動きが華美になりがち

要するにコストメリットが見出しにくいのです。逆にこの気にしなければならないポイントを克服する手はないのか?と考えるのがエンジニアですねw

そこで私が見出した方法が、「アニメーションを使わないアニメーション」です。

アニメーションを使わないアニメーション

アニメーションを使わないアニメーションとはどういうことでしょうか?もう少し説明しますね。「アニメーションを使わない」とは、文字通り、「アニメーション効果」を使わないことを指します。

PowerPoint でも Keynote でもアニメーション効果の機能が搭載されています。

PowerPoint でのアニメーションの設定
PowerPoint でのアニメーションの設定
Keynote でのアニメーションの設定
Keynote でのアニメーションの設定

アニメーション、とりわけ、スライドインなどや軌跡を使った移動系のアニメーションは、移動前と移動後のスライドを作らなければならなくなり、配布資料を作成するときには、配布資料用のスライドを別途作成(要するに作り直すコストがかかります)する必要がでてきます。その後にスライドに手直しをするたびに配布資料用スライドの更新も必要となってきます。

なので、アニメーションは使わないほうがいいのです。ただ、アニメーション効果を使いたい = 動きのあるスライドにして説明の補完をしたいわけです。

そこで活用するのが、画面遷移なのです。

PowerPoint でも Keynote でも画面を遷移するときに効果をつけることができます。PowerPoint では「画面の切り替え」と呼び、Keynote では「トランジション」と呼びます。この辺りの特長や違い、注意点については以前に書きましたらので合わせてご覧ください。

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PowerPoint と Keynoteプレゼンに必要な道具の一つにスライドがあります。代表格が PowerPoint と Keynote ですね。これらには、スライドとスライドを遷移させる際に「効果」を設定することができます。また[…]

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では 画面遷移の効果でのアニメーションのイメージはどうなるのかというと、一番わかりやすい表現は、「パラパラアニメ」です。そうです。動きを1枚1枚のスライドにしていくのです。その繋ぎを画面遷移の効果で行います。従ってあまり派手な画面遷移効果は使いません。

ここからは、PowerPoint での例を見ていきますが、Keynote でも基本的には同じです(※先述のリンクにて気をつけておきたい PowerPoint と Keynote の画面遷移の違いを紹介しているのでそこも見てくださいませ)。

例えば、

before
before

から、

after
after

と、タスクボード風のアジェンダで  To Do 列にあるものを  Doing 列に移動するというアニメーションを画面遷移で実施する方法をご紹介します。

PowerPoint 2016 for macOS での画面遷移効果の例
PowerPoint 2016 for macOS での画面遷移効果の例
Keynote での画面遷移効果の例
Keynote での画面遷移効果の例

これを使ってスライドからスライドへ切り替える効果でアニメーションしているっぽくしていきます。

オブジェクト(ここでは「タスク」)を移動しているように見せるには「ワイプ」が優れています。ワイプによるスライドからスライドへは、「右から」「左から」「上から」「下から」と設定可能です。

今回の場合は、「左から」が適しています。

ポイントは移動前のスライドと移動後のスライドは、ほぼ同じスライドであるということです。移動させたいオブジェクト(ここでは「タスク」)だけ、違う位置(移動させたい位置)に配置するようにします。

移動前スライド
移動前スライド
移動後スライド
移動後スライド

「Business × IT」と記述されたタスク(オブジェクト)だけ配置位置がかわりますが、他のものはなにも移動していません。

画面切り替え効果で、ワイプを選択し、「左から」にすると、聴講者は、タスク(オブジェクト)だけが位置を移動したような錯覚をみることになります。

これが、アニメーションを使わないアニメーションです。

利点は、変更が容易であることです。パラパラアニメですので、変更点は手に取るようにわかります。スライド枚数は増えますが、変更は容易です。また、配布資料用を作成するのも楽です。そのままでもよいですし、移動途中などのスライドをカットすれば配布資料用が完成です。

次の例を見ていきましょう。

このスライドから

というスライドにアニメーションするには、「IT は、【便利】」というテキストボックスをアニメーションの終了効果で非表示にし、黒枠で表示された「ビジネスと同期しなくてもよい、、、」を開始効果にて表示するようにします。アニメーションでこれをやると、この2つのオブジェクトを重ねた1枚のスライドを用意することになってしまいます。これでは変更容易性もよくないし、印刷資料用を作り直す必要がでてきます。

そこで、この2つのスライドを別に用意し、画面遷移で「フィード」や「スプリット」を使うとアニメーションと同等の錯覚効果を提供することができます。

効果をうまく意図した通りに行い錯覚してもらうには、画面遷移効果の持続時間と切り替えタイミング時間などを適切に設定することも忘れてはいけません。

「マジックムーブ」と「変形」の到来

Keynote には「マジックムーブ」という優れた画面遷移効果があります。PowerPoint 2016 でも更新により同様な効果を行う「変形」が追加されました。これらを用いると前スライドと後スライドのオブジェクトを検知して、移動した場所まで自動で動かしてくれます。オブジェクトの向きやサイズも変えてくれるのでこれひとつでよりアニメーションっぽい動きを作り上げることができるようになりました。

この辺りについても先述の以前の記事で紹介しています。

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